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タイのお米にまつわるあれこれ。タイの「ごはん」も日本の「ごはん」も。
料理教室では、ほとんどの場合、ジャスミンライスを炊きます。
「ジャスミンライスって、ジャスミンの花と関係があるの?」
「ご飯を炊くときに、お花の香りをつけている?」
という質問がときどきありますが、ジャスミンの花とは実際には関係のないお米。
「ジャスミンのお花のごとく、良い香りがするお米」をタイ語で表すと
カーオ=米
ホーム=よい香り、薫る
マリ=ジャスミンの花という訳で「カーオ・ホーム・マリ」という名が付いているのだそうです。
上にも書きましたが、タイ語で米のことは「カーオ」と、
食事という意味でいう「ごはん」のことも、タイ人は「カーオ」と言います。日本人も、炊いたお米のことを「ごはん」というし、食事のことも「ごはん」と呼びますよね。
タイに住み始めて間もない頃、タイ語で
「ごはん食べた?」
と話しかけられ、
「日本人と同じように『ごはん=米』が『ごはん』なのか!」
ということがすぐにわかり、タイの人たちのことを、ぐっと近い存在に感じられたのを覚えています。
英語では食事のことは、Mealと言ったり、もっと詳しくDinner, Lunchなんていうことは多いですが、BreadとかPastaとは言わないですものね。
レストランなんかで、ごはんだけオーダーしたい時なんかは、分かりやすくするために
「カーオ・スアイ」
と呼びます。
スアイ=美しい
という意味。これも、日本語で
「『白ごはん』ください!」
と言い換えるのに似てますね。
ところで、タイにはジャスミン米ではない、普通のタイ米もあります。
「カーオ・ホーム・マリ」(ジャスミン米)は、良い香りがする、ふっくらと炊き上がる高級米。
普通のお米は、ふつうの味がします。
今食べると、ちょっとパサパサしてるかな?と思うけれど、タイに住んでいた頃の私は、それはそれなりでおいしいと思って食べていました。タイ料理はいろんな味がしみ出したおかずのつゆが美味しいです。
フレンチと似ていて、ソースの文化なのだと思います。
タイ料理の場合は、ソースを別に作る、のでHなく、調理中に自然にできるのですが。美味しいつゆと、さらりとした米を混ぜながら食べるとちょうど良かったです。トムヤムクンみたいなスープも、ごはんにかけながら食べていました。タイ料理はやっぱり、ごはんが主役なのです。
そういえば、先ほども出てきた、いい香りという意味の、「ホーム」というタイ語には、「(タイの)キス」の意味もあるんですよ。
他の国にはない、タイのオリジナル!のキスです。
お互いの頬を寄せ合って匂いを嗅ぎ合うキスで、口づけはしません。ロマンチックだし、お互いを知る良い方法かもしれないですよね。人間も動物だから、知らない人がお互いに惹かれ合うのは、容姿や性格だけではなく、匂いの相性が良いからと聞いたことがあります。私たちにとっては無意識だけれど、タイ人は意識的にしてるのでしょうね。
これも、きっと「香り」を大切にするタイ文化のひとつなのでしょう。
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タイ米の炊き方のポイントを書いてみたので、
よろしければ合わせて読んでみてくださいね。